日本商会とは

会長挨拶


 

 

  パナソニックHD代表取締役副社長 本間哲朗

 

 

 

 昨年4月18日の理事会で、前任の池添会長からバトンを受け継ぎ、早1年、この間、大使館の皆さん、商会副会長、部会長の皆さん、そして、多くの会員企業のご理解とご協力で、さまざまな取り組みにチャレンジできました。会員数も、4月現在549社、アンケート協力会員を含めると1,700社の規模になりました。この場をお借りして心より御礼申し上げます。

 さて、新年度のスタートにあたり、商会の今年度の運営に関し、一言申し上げます。

  昨年、会長就任にあたり、広く会員企業の要望を聴く、広聴活動と、その要望を整理集約し、中央政府、地方政府、時には日本政府に伝えていく渉外活動、そして対外への発信に力をいれると申し上げました。

 会員各社の貴重な意見が集約された「白書」は、副会長の協力を得て、さまざまな場面で中央・地方政府の要人に手交できました。今年1月の経済三団体訪中の際には、日商の小林会頭より李強首相にもお渡し頂きました。現在、校了間近の2024年度白書は、エグゼクティブサマリーを別冊にし、更に使い易くする工夫をしたと白書委員会から伺いました。今年度は更に多くの日中両国の要人にお届け出来る事と思います。

  また、新しい広聴の取り組みとして、企画委員会が担当する景況感アンケートを始めました。先週金曜日に締め切った第3回の回答数は1,734社と、過去最高を更新しました。欧米商会のアンケート回答数は400前後であることから、中国政府、中国メディアの注目度は非常に高く、多くの報道で引用されたことは皆様ご案内の通りです。第3回の結果は5月14日に発表します。商会活動は皆様のナマの声がベースです。引き続き、ご協力を宜しくお願い申し上げます。

  渉外活動は、副会長以上で手分けをして、中央・地方政府のトップレベルが出席する会合へ参加し、要望を伝えて参りました。日本企業にとって鍵となる商務部とは、李飛副部長との少人数会合を2回行い、率直な意見交換をしています。このような活動の成果だと思いますが、326日、北京で開催された「投資中国年~キックオフ大会」時に実施された韓正副主席との少人数会合には外国商会として唯一、私が招かれ、日本商会の要望を伝えさせて頂きました。

  広報活動は各種会合の前後に副会長以上で分担し、日中メディアのインタビューに答えるだけで無く、6回の記者会見、2回の日本メディアインタビューも実施出来ました。しかしコロナ禍で日本に生まれた対中認識ギャップは簡単には埋まりません。この解消には在中日本メディアの方々に今日の正しい中国の姿をお伝え頂く必要があります。昨年10月、大使館の協力を得て、大使公邸にて「ミート・ザ・プレス」という日本メディアとの交流会にも取り組み、大変好評を頂きました。第2回は来週24日、この長富宮で日中双方のメディアを招待して行います。ご予定の副会長・各部会長の方々は宜しくお願い申し上げます。

 このように皆さんのご理解、ご協力のおかげで、商会の知名度は著しく強化されたと感じております。しかし、一年が経過し、日本企業の事業環境が改善されたとは言えません。確かに国務院が出すペーパーには商会の訴求ポイントが沢山載りました。しかし実際の政策に落ちた例は希少です。これは私自身の力不足であったと反省しております。

  その意味で今年度が商会にとってまさに勝負の年です。昨年11月、日中両首脳が合意した両国の戦略的互恵関係の中心は経済交流であり、われわれ日本企業には、そのけん引役となることが強く期待されております。今週から始まる三地方政府トップの訪日はその絶好の機会だと思います。

 今年も会員各社のご協力と日本大使館皆様のご指導を頂き、日本企業のお役に立てる商会を目指して、新たな取り組みを進めて参ります。

(2024年4月17日 総会懇親パーティーでの挨拶)