活動報告

北京市あてに駐在員及びその家族へのビザ招聘状発給のお願いの要望を提出


 中国日本商会は9月16日、北京市の蔡奇書記と陳吉寧市長あてに駐在員ならびにその帯同家族のビザ招聘状を発給するよう要望いたしました。


210916ー就向驻北京市日企人员及其家属发放签证邀请函的请求(中共北京市委书记蔡奇 先生)

210916ー就向驻北京市日企人员及其家属发放签证邀请函的请求(北京市人民政府市长陈吉宁 先生)  


なお、日本語の内容は次のとおりです。


 

北京市における駐在員及びその家族へのビザ招聘状発給のお願いについて

  

北京市におかれましては、「国家サービス業拡大開放総合モデル区」と「中国(北京)自由貿易試験区」のいわゆる「両区」への企業誘致を推進しています。

 

 これは、中央政府が北京の開放発展を支持する重要な政策です。私ども中国日本商会もこの政策を重視しており、オンラインでの説明会や大興区の経済開発区の現地視察会などに協力をしています。

 

 重点分野として掲げられている、医薬、健康、バイオ、ロボット、スマート製造、イノベーション、金融などの分野はもちろんのこと、これらの業種に携わる人々の生活を支える、既存の製造、物流、サービス、小売、飲食などの分野の産業も重要であると考えております。これらの幅広い分野に日本企業が積極的に参画することにより、北京市の均衡のとれた発展に引き続き寄与してまいりたいと考えております。

 

さて中国経済は、昨年のコロナの影響から世界でもいち早く抜け出し回復しました。北京の日本企業も当時はある程度の「復工復産」はできたものの、現在は多くの日本企業が駐在員やその家族のビザ発給の問題を抱えたことで、状況は再び悪化している事態となっています

 

北京市においては、一部の企業の駐在員及び全ての企業の駐在員家族に対しビザ招聘状が発行されていません。これは、現在、北京の日本企業が抱える喫緊かつ最大の問題です。

 

 具体的には次の2つの問題があります。

 

1.新規駐在員のビザ招聘状

今年7月中旬から新規駐在員のビザ招聘状の申請が半分しか許可されなくなりました。8月からは申請の受付が止まったとの報告も受けています。企業によっては、申請が全部拒否された事例や法人トップの申請が拒否された事例もあります。申請を拒否された企業では、既に帰国してしまった人員と同程度の専門性を有する新たな人員を補充することができないまま、無理な体制で事業を継続していくことが強いられています。

このままではその事業運営体制に大きな歪みが出てしまい、いずれ業務継続が困難となる企業が生じることは明らかです。


2.駐在員家族のビザ招聘状

 駐在員家族のビザの招聘状は昨年11月以降、申請を受け付けてもらえません。主要な日本企業においては、各社に少なくとも一人は、家族で離れ離れの生活を強いられ、北京に来たくても来られない家族を抱えている駐在員がいます。

 小さな子供と母親を日本に残しての生活が1年以上続き、精神的にかなり弱っている駐在員や、父親、母親とも北京勤務になり小学生の子供だけ日本に残らざるを得ないと悩んでいる家族などその状況も様々です。

 日本で生まれたばかりの子供に会えずに1年が過ぎた駐在員もいます。

 我々日本企業を含む外資系企業にとって、従業員の精神的な安定、メンタルヘルスのケアは、人権問題にも直結するので、企業経営上とても重要視している分野です。

 

各社の経営者が一番頭を悩ませる問題であり、一刻も早い状況改善が必要です。

 

 

 北京市は、一部の特定の国の家族にはビザ招聘状を発給していると伺っています。また、中国でも他の都市では日本企業にも家族の招聘状が発給されています。上海でも9月9日から家族への招聘状申請受付が再開されています。

 中国日本商会では、現在、北京市に訪問を希望している日本人駐在員家族はせいぜい300人程度と推測しています。また、もし、これらの家族が入国できたとしても日本と北京との間には直行便がないので、北京市に入って来るまでに、日本で厳格な抗体検査とPCR検査を受け、中国に入国した都市でさらに3週間の隔離生活が必要になります。中国は相当に厳格な隔離政策を取っている中、感染者流入の恐れはないはずです。

 

上記の新規駐在員ビザ招聘状及び駐在員家族のビザ招聘状の発給は、北京市政府の判断ひとつで明日にでも解決できる簡単な問題です。いくら北京市政府が「両区政策」を推進し、素晴らしい政策を用意して投資環境をアピールしようとも、この問題が解決できないと、いつまで経っても我々はあらゆる場でまず第一にこのビザ問題について改善を求め続けなければならず、次に進めません。

 このままでは、北京市のビジネス環境は、上海など他の都市に大きく差をつけられてしまいます。

 投資環境の改善を図る点はもとより、人道的見地からも、駐在員及びその家族への迅速なビザ招聘状の発給を再開していただきますよう切にお願いいたします。

 

また、仮に市政府が英断を下し、駐在員や家族へのビザ招聘状の発給が再開される場合は、申請者に混乱が生じないように、各区の受付窓口への連絡をしっかりとしていただくようにお願いいたします。

 

(以上)