中国日本商会は9月26日、日中間の往来に関する日本政府への要望を
垂秀夫日本国駐中華人民共和国特命全権大使に提出しました。
「日中間の往来に関する日本政府への要望」
日本政府に以下の要望があるのでお伝えいただきますようお願いいたします。
1.日本到着時の隔離の緩和対象をWHO認定のワクチン接種者または新型コロナの感染を抑え込んでいる国からの帰国・入国者とすること。また、これらの者は、公共交通機関の利用制限の対象外とすること
経団連が9月6日、「Withコロナにおける社会経済活動の活性化に向けた提言」を公表、政府にワクチンの接種が完了している者に対する隔離期間の免除を早急に検討・開始すべきであると提言し、日本政府もこれを検討するとの報道があります。
現在、中国をはじめとする一部の国・地域では、現地の日本人がいくら望んでも日本政府が承認したワクチンを打てず、やむを得ず他のWHO承認ワクチンを接種せざるを得ない環境にあります。
日本帰国・入国時の隔離免除となる対象のワクチンを日本政府が承認したものだけではなくWHOが承認したものも含めることを要望します。
また、当該国・地域の日本大使館がその管内で新型コロナの感染を抑えられていると判断した国・地域からの帰国・入国者も隔離免除の対象とするべきです。
同時に、当該者を公共交通機関の使用制限の対象外とすることも求めます。
2.帰国者向けのワクチン接種会場の終了時間ならびに設置時期の延長、およびに関西空港にも接種会場を開設すること
8月1日から成田空港及び羽田空港において、日本国内に住民票を有しない海外在留邦人等で希望する者を対象としたワクチン接種が始まっています。これは、希望するワクチンを接種できない海外在留邦人にとって大変有用な制度となっています。
しかしながら、この接種会場の開設時間は17時までとなっており、正午以降到着する者は運用上到着日に接種できなくなっています。接種の終了時間の延長を要望いたします。
さらに、この会場は2022年1月上旬に閉鎖される予定になっており、在中国の日本人の多くが2月上旬の春節の時期の一時帰国及びワクチン接種を検討している状況に鑑み設置時期の延長を求めます。
また、西日本に生活の基盤や帰省先がある者であっても、接種のために成田・羽田着の便を選ぶ必要があり、ワクチン接種後には公共交通機関を利用できないためハイヤーで目的地に向かわなければなりません。ハイヤー代は大阪の場合でも20万円にもなり高額な負担を強いられます。
関西空港での接種が受けられれば西日本への帰国者等の利便性が高まるため、関西空港へのワクチン接種会場設置を要望します。
3.中国駐在員ならびに帯同家族へのビザ招聘状の発給について中国政府に要請すること
現在、中国各地で駐在員ならびに帯同家族のビザ申請に必要な招聘状の発給が止められる事例が多数生じています。
特に帯同家族については、北京では昨年11月から申請が認められなくなり、この状態が長期化しており、当地における最大の問題になっています。家族が離れて暮らすことを余儀なくされることは、人道的見地からも好ましい状況ではありませんし、企業経営上の課題にもなっています。
在中国日本大使館ならびに各総領事館では、率先して中国の中央・地方政府に対し、この問題の改善について強く働きかけていただいておりますことについて深く感謝をしております。引き続き、強い支援をお願いいたします。
4.中国人ビジネスマンに対し日本訪問ビザを発給すること
中国では、世界でもいち早く新型コロナウイルスの感染を抑え込み、国内ではほぼコロナ前と同じような生活を取り戻しています。しかしながら、日本では中国人の日本訪問ビザの新規発給を停止しています。
取引先の中国人ビジネスマンが日本に渡航できないことで、日本企業の業務にも影響をきたす事例が出てきています。一律の発給停止ではなく、事情に応じて対応するなど、臨機応変な対応をお願いいたします。
5.留学生ビザの発給を再開すること
現在、日中両国で留学生ビザの発給が止まっています。
企業の中国人社員の子女ですでに日本の学校に入学を果たし、居留許可も発行されているが、ビザが下りず中国でオンライン授業を受けている事例があります。
一方、日本人駐在員の中には帯同家族のうち、中国の大学に所属する子息だけビザが出ず、一人だけ日本に留まっている事例があります。
日本政府においては、留学ビザの発給再開ならびに、中国政府への留学ビザ発給再開への働きかけをお願いいたします。
以 上